 滋賀県環境生協・理事長 藤井 絢子さん | 会派を超えて森林を守る政策を
司会
一応テーマについてそれぞれご見解をいただきました。今からフリーに討論に入っていきたいと思います。
藤井
「森林税」のことですが、この前神奈川県の松沢知事と嘉田知事の対談をやりました時に、神奈川県は時限条例なんですが、人口が多いので年間40億なんです。滋賀県は6億。「なぜ40億も使うのか」おうかがいしたら、松沢知事は「公共事業が減って土建業者が大変苦境にある。その業者に山に入ってもらうためにはこの費用は絶対に必要である。5年間時限条例で40億、5年後まだ公共事業から遠くなってしまった土建業者たちが山に入らなければいけないなら、時限条例をまた伸ばす」と発言していました。
「イザ」という災害の時に土建業者さんが持っているパワーと知識がないと大変な事になるなあと思って感心して聞いていました。
それともう一つ、公社は毎年20億の借金を返さないといけない。そのためには20億を越えるものを売らないといけない。ところが、外材、特にロシア材が多分来年から関税が上がり、入りにくくなってくるというので、今既に舞鶴方面から業者が琵琶湖の方に、業者が、特にベニヤ屋さんが買いにきているのですが、皆伐してしまう。「皆伐しても売れるだったら良いじゃないか」という森の人が出始めました。でも皆伐してしまうと、植えないと50年後大変な事になる。ところが県の森林行政は売れれば良いと思っています。そこのところに是非仲介に入って議会でそういう議論をしていただきたい。20億を越える売る材は絶対ある。この前永源寺で100年物が売れました。そういうものがドンドン動かなければいけない。
もう一つ、ウッドマイレージの少ない木、つまり県産材をどれだけ使うかということです。滋賀県内で家を作る時には、「県産材何パーセント使用してよ」という条例ができないか。ずいぶん前に、1996年に「合併浄化槽義務化条例」というのを滋賀県から出てきました。それを機に国が単独浄化槽を禁止して、メーカーが単独浄化槽を作れなくなった。「国産材は売れない」ではなくて、滋賀県から始められるものだったら、さっき「国ができないんだったら県から」とか、「何か一つ県民運動を」という話がありましたが、会派を超えて、企業も巻き込んで、森を守るために何か大きな政策ができないでしょうか。
 民主党・県民ネットワーク 中沢 啓子議員 | 中沢 6億の使い道は「びわ湖森林作り条例」の中で、環境林に半分とか、共同研究事業へいくらとか、結構細かく具体的に使われたりするんですけど、環境林の方に最初の計画よりかは少し多めにしているんですね。
松沢さんの話は、確か最初マニフェストを作った時に、「公共投資は少なくするけれども、その分雇用にお金をつけて、県の施策の方に動いていただくようにしますよ」という話が出ていたと思うんです。それを「森林税」を使ってという話になったんだと思うんですね。
森林事業に関しては、森の子事業とか、子どもの教育の部分とか、いろいろなところに細かく使われているんですけど、ちょっと見えにくくなっているんですね。
それともう一つは、森林の業としての部分にもっと知恵が必要だと思うんですね。現場の方の意見は最後まで聞いていかな
ければいけない。 | |
 コープしが・理事 海老澤文代さん | 高島市産の杉を使った市民主導の体育館作り
海老澤 私は高島市の朽木に住んでおりまして、小中学校の体育館を作ろうという検討委員会の委員をしております。朽木の学校林、今最大で80年生の木がありまして、それと市有林を使って、ほとんど杉を使って体育館を作ろうという計画です。まず市民が集まって検討委員会を作って、設計に携わってくれる業者を日本全国から公募したわけです。それも滋賀県の業者さんと一緒になってやって下さいという条件でプレゼンをして、業者さんを決定して、やっと基本設計が出来上がった段階です。
大規模な建築ですので条件が厳しい。普通の民家なら25パーセント乾燥した材でOKなんですけど、20パーセント以下に落とさないといけない。高島市が素晴らしいなと思うのは、2年間で作るところを3年間かけて、その材を使って作り上げる。そして、高島市産の杉を売り出していこうという話をしているところです。これまで地域の人間が「山があるのに、なんでその材を使って公共の建物を作れへんのや」と言ってきたわけですけれども、やっと今、80歳になられる方が世話をされてこられたその材は、子どもたちが使う体育館に生まれ変わるということで、すごく期待は大きいんです。
それと、私薪ストーブを使っているんですね。薪ストーブと使うからには、夫が木を切って薪にしないといけない。私のところも55歳になって、これから何年できるかというところが悩みなんですね。やっぱり「使いやすさ」とか「供給のしやすさ」とかが課題になってくると思うんですけど、その仕組みを作り上げていく。大本からもう一回練り直すことが大事なんじゃないかなって思っているんです。 | |
森林の管理に科学の目 国産材で循環システム
西川 「楢枯れが環境に悪影響を与えている」とか、「森林の管理」とか、そういうのに科学の目が必要だと思うんですね。先日琵琶湖科学研究所に行ったんですけど、「皆伐」とか、「どういう切り方をすれば自然環境にやさしいのか」とかというテーマが、今、研究所のテーマでなくなっているというんですね。
もう一つは、森林を二酸化炭素の吸収源の一つと考えていますが、研究員の先生に聞くと「やっぱり切らんとあかん。若いから吸収するんで。人間と一緒ですよ」と言われました。その話を聞いて森林管理も科学の目が入らなかったらあかんなと感じました。その上でお金があるとか、ないとか。直ちにできること、できないこと、いろいろありますし、県民の力を借りることだって、かなりの頻度でできる可能性があるわけですから。
それと、国産材で循環システムを作り出す。これは非常に大事な課題だと思いますね。 | |
会派の枠を超えて行政への働きかけを
粉川
朽木の取組みはすばらしいと思います。地域の力と行政とがそれぞれの役割を果たしてすばらしい結果を生み出されたと思うんです。こういうことがなかなか難しい。
例えば滋賀県の県産材を使っていこうという政策の中で、「耐震が必要と診断された家に100本の県産材をプレゼントしますよ」という制度を作っても、それが利用されてないんですね。だから、「なぜ利用されないのか」「もっと利用してもらうにはどうしたらいいか」もっと掘り下げて追求していかなあかん。答弁では、「県には製材所がない」と。「じゃあ製材所を作らなあかんやん」と思うんですけど、問題点なり課題があきらかになっても、それがなかなか進まない。だから、議会としても、議会提案みたいな形で会派の枠を越えて、行政に働きかけをして、住民の思っていることを、この県産材の利用についてもある程度課題が明らかになってきていますので、もうちょっと早く実際動くように頑張っていかなあかんなあと思います。 | |